こんにちは!
芥川賞受賞策品「コンビニ人間」を読んだ感想です。
幸福の資本論の中で、コンビニのアルバイトの中で自己実現を達成した例として示唆されていました。
「自己実現」についてイマイチ意味を理解していなかったので読んでみました。
読後の感想の結論として、確かにそこに自己実現がありました。
その点を中心に感想を書かせていただきます!
あらすじ、概要などは他の解説者の方々が書かれていますので、ここでは感想だけ書かせていただきます。
ネタバレも含む内容ですので、気になる方は読後にお読みください。
それでは早速まいります。
自己実現とは
本書において示唆された自己実現とは「身勝手の極意」と感じました。
そう、ドラゴンボールの悟空の現状最強形態です。
・・・
コンビニ人間でいう「自己実現」を表現した箇所を抜粋させていただきます。
”コンビニがどうなりたいか細胞レベルでわかる”
”コンビニの声が聞こえる”
”私の細胞すべてが、コンビニの声に応えるために蠢いている”
どの表現も「今」「自分が」「何をすべきか」これらを考え無しにできている状態です。
さらにこれらの行動に「心から納得できている」精神状態でもあります。
換言すると「夢中に仕事している」と言えると感じました。
つまり、変化する状況に体が勝手に反応する「身勝手の極意」こそ自己実現だと思いいたりました。
コンビニ人間に見る「生き方」「働き方」
主人公は超合理的な性格に描かれています。
・友達がケンカしている状況を止めるため、近くにあったスコップで殴った。
・鳥が死んでいるのを見つけて、から揚げを作ってお父さんに食べてもらおうと思った。
強烈なエピソードですが、状況を改善・利用とする姿勢は幼いころからのようです。
年月を経て主人公は36歳。
コンビニの無機質・マニュアル化された業務を遂行することで「店員」として社会に所属・貢献している感を得ていました。
「その年で独身!?アルバイト!?」という、現代の「一般」には溶け込めない主人公。
「一般人」としての生き方はわからない。しかし「コンビニ店員」としては役目を完璧にこなしている。
この作品では、生活の全てを「コンビニ店員」であるために整えた清々しいまでの主人公の生き方が描かれ、魅力的に映ります。
爪を短くする理由は、レジ正確に打つため。清潔感を演出する理由は、コンビニ店員としてお客様に不快な思いをさせないため。
生き方の選択基準が「コンビニ店員」に全振りされています。
コンビニ店員としての最適解を合理的に生きている
その描写にある種の不気味さも感じつつ「仕事に夢中」ってこういうことかな、とも思いました。
そこでハッ!と感じたことは「これこそ自己実現だ」ということです。
ある意味宗教的・盲目的に仕事に向かう姿勢です。
しかし、その中でやりがいや貢献感、充実感を感じている。
「自己実現て何?」と聞かれた時のひとつの解答例として挙げられると思いました。
まとめ
自己実現とは(他人にどう思われようと)自分自身が【やりがい・貢献感・充実感】を感じられる状態と学びました。
自己実現について、悩んでいる方にはオススメの一冊です。
それではまた!
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